横浜地方裁判所 昭和55年(ワ)590号 判決
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【判旨】
三被告が昭和五五年二月一五日頃から一階のゲーム場を廃止し、うなぎ屋を開店するため内装及び改造行為を行つたこと、二階も改造して畳部屋を除去したこと、具体的には、①一階の部屋の壁に床から約九〇センチメートルのタイルを張り②一階の天井の一部をぶち抜いて二階に昇る階段を新設し③一階調理場に洗面設備を設置したことは当事者間に争いがなく、<証拠>によれば、その外④一階の床をはがして配管四本を設置し、床には入口附近の既設のタイル部分を除いてコンクリートを塗り⑤一階奥を仕切つて調理場とし、その中に組立式大型の冷凍庫と冷蔵庫を設置したこと⑥二階は中華料理店向にするため、既設の西側和室三室を除去してそのあとを椅子席用ホールとし、東側の調理場をはさむ両側の物置部屋を和室に改造し、⑦二階の天井を全面的に張替え、床もフローリングを張つたこと等の事実が認められる。
右認定の事実によれば、被告が施した本件建物の改装、改造工事は軽微・小規模のものとはいえず、殊に②、⑥は直接本件建物の構造の一部や造作を損傷するものであつて、賃貸人の承諾がない限り賃借人としての賃借物保管義務に違反し、賃貸借の基礎たる信頼関係を破壊するものといわなければならない。
四そこですすんで被告の抗弁について判断する。
被告は昭和五〇年六月金学道から本件建物を賃借するに際し、将来の本件建物の改装につき予め承諾を得、更に昭和五三年四月一階店舗のゲームセンターへの改装計画と共に二階をうなぎ料理店向に改装し、内部階段を設置することの承諾を得たと主張し、証人成高英敏、同管原猪一は右主張にそう証言をする。しかし、右各証言は、これを否定する証人金後漢の証言に照らして信用できず、乙第三〇及び第三一号証も右主張を認めるに足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。抗弁は採用できない。
五そして金学道が本件訴状をもつて本件建物の賃貸借契約を解除する旨の意思表示をし、これが昭和五五年三月二九日被告に送達されたこと、金学道が本件訴訟係属中同年五月四日死亡し、原告らが本件訴訟を承継したことはいずれも本件記録上明らかである。
(佐藤安弘)